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簒奪経済が招く未来を正視せよ

3日行なわれた憲法集会で、岡田代表の顔色は久しぶりに明るかった。
5万人の参加者を前にしたことも大きいが、一種の吹っ切れた感があった。
それを映し出すように、4日時点での32選挙区での野党統一候補はあと8人に迫るまでになった。

産経新聞が必死に共産党アレルギーを喧伝するが、誰も読んでいない泡沫新聞の影響などない。
その裏には、野党4党による幹事長書記局長会議の存在がある。

岡田代表は、参院選の争点は、「憲法」と「経済」だと云ったが正鵠を得たものだ。本紙は、憲法の改正を要さないし、更に憲法違反の法律をつくる理由もないと完全に認識している。

従来の内閣法制局見解、歴代総理見解を読めば、全く不都合はない。
同時に、それは米国もそうなのだが、資本主義の「自由」の行き過ぎが、まさに自国民の雇用を奪っている現実を正視しなければならない。

このことは本紙は、需要は無限ではない。で書いている。

別に何も難しいことではない。
最もよい例としてタクシー台数の規制緩和を挙げ説明した。
需要は無限になく、需要を大資本が簒奪してしまえば、また、その簒奪過程において資本力競争ともなり、その帰結として相対的価格競争が生じ、コストが下がり、一見すると価格が下がってよさそうに見えるが、それは価格競争に敗北した中小業者の雇用を簒奪した結果であることに気づかなければならない。タクシーで云うなら、食えないドライバーが増えただけだった。

駅前の一等地は銀行とチェーン店が立ち並ぶことになり、競争に敗れた商店街はシャッター通りになる。
消費増税がさらに追い討ちをかける。需要が一定しかないところに、誰かが最初にゴッソリ砂山を奪い取れば、残された部分を如何に分配しても結果は同じだ。

いまアベノミクスで黒田総裁が、マネタリーベースを拡大しているが、資金を供給すればするほど、資金は商品でもあるから、ますます供給の過剰が創出され、雇用には大きな下押し圧力がかかる。

結果として需要が低迷することから、投資循環が阻害され、大型機械が出難くなり、大企業は政府支出にますます寄りかかり、戦争兵器の生産やらで糊口を凌ごうとする。

つまり供給過多に問題があるのだから、規制が必要なのだ。
このことは社会問題を抱えるアメリカも同じで、そろそろ考えたほうがよい。
例えばトランプ氏の発言は、有権者としては面白いだろうが、何の解決にもならない。
サンダース議員の主張が正しいのだが、米国では弱者より資本家が強く、勝てないという病巣を治せないでいる。
日本はそれでも社会保障が機能しており、もし本当に国の財政を立て直したいなら、需要を見極め、供給を制限することだ。

同時に工業化社会の変革に伴って発生する雇用の余剰をサービス産業で吸収するため、そこでも適切な需要供給管理を実施し、労働者の賃金と雇用を確保する。
これはアベノミクス失敗のメカニズムの指摘でもあり、速やかに安倍官邸を捨て、雇用と社会保障が確保できる「平和な日本」を希求して行くべきである。






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