政治とはカネのことだ。
安倍首相は、参議院選挙の圧勝を背景に、憲法改正だとか経済成長だとか云いだしているが、足元はどうなっているか。
米軍と一緒に世界中で後方支援するという安保法制の担保となる財源は、アベノミクスによる経済成長で拠出するとしているが本当なのか。
日本の債務は1000兆円を超え、有権者の3人に1人が前期・後期高齢者という社会構成で、果たして経済成長という政策は正しいのか。
安倍政権では、法人税減税など大企業セクター側の政策を行い、結果、3年間で内部留保こそ積みあがったものの、国民の実質賃金は下がってばかり。その大企業の多くはタックスヘイブンに投資というかたちで資金を逃避させている。
鍋の底に穴があいているのに、果たして経済成長や国民生活を豊かにする実質賃金の上昇は可能なのか。
社会保障はGPIFの運用損もあり、今後の給付の展望はどうなのか。
このような財源情勢の下で、憲法改正とか安保法制とか、非常に大きな支出を必要とする政策が可能なのか。
詰まるところ、社会保障給付を削減したりすることにつながるのではないのか。
政治とはカネのことだ。
スティグリッツ教授は訪日のなかで、需要側に問題があるとし、要するに消費者に金がないと云っている。
国の全体の生産(稼ぎ)が増えていないのに、大企業優遇政策ばかりやって、国民の実質賃金が下がっているのに、憲法改正も安保法制もないだろう。安倍政権では、分割払い型(ローン型)の対米防衛装備品の発注もかなり増えている。
民生が弱った日本護送船団が原発売上げ2兆円とか事業計画に書くなど、すっかりヒラメだが、これでどうやって経済成長させるのか。
いいかげんに国民生活への分配を強化し、カネが回る経済を取り戻さないと景気はよくならないだろう。
どんどん膨らんでいる日銀資産問題や国家債務問題を横において、やれ防衛だ、改憲だなどと云われても最後は「ほしがりません勝つまでは」などのスローガンが新聞紙に躍ったり、保険証の取り上げ強化などが始まるのがおち。
経済を失敗したのに、戦争の道を行けば、それは国家破綻ではないか。
今後は、自らの言葉で、自らが訴えて行きたい。