OliveWeekly

主権者たる市民が自ら立ち上がる

北海道5区補選は、自民党(公明推薦)の和田氏が野党統一候補の池田氏の追撃を僅差でかわして当選した。
自民党やマスコミは、この戦いを自・公対野党4党の構図で報じるが、実際は野党4党+市民という構図である。

主権者たる市民が自ら立ち上がり、メガホンやプラカードを掲げ、演説各所に集まって応援する(憲法12条)。対する自民党側は、地盤、看板、カバンという三バン+権力を片手にした組織型選挙を水面下で進める。

従来、与党と野党が各々有権者である市民に対し政策を訴える選挙であったものが、大きく変わった。今回の野党4党の統一候補は、4党の支援を得ているが、ほかにも市民や勝手連からの支援も受ける。

勝敗という意味では、自民党の和田氏に軍配があがったが、現実、池田氏は民進、共産の9割に浸透しただけでなく無党派層の7割に浸透した。

自公を加えれば、3割を安定的に獲得する地盤能力だが、そこからの広がりは少なく、一部与党支持層にまで食い込まれた。
終盤なりふり構わず地固めをしたことが奏効したのは、千歳地区と見ており、ここの差がそのまま最終票差となった。
仮に千歳のような自民党の三バンの組織力を行使できる地区が無ければ結果は違うものとなっていた。

今後、自公与党は、地方農村部では依然として三バンの集票力が期待できるものの、都市部は無党派層が多く、なかなか難しい対応を迫られよう。今回、京都3区でおおさか維新の集票力がそれは北海道の新党大地同様に奏効しなかったことも書いておきたい。

おおさか維新が大阪から京都に電話をすると「ここは大阪ではない」と云われた。
新党大地は、見る影もなかった。

5区補選を終えてひとつ云っておきたいことがある。
それは、我々がずっと主張しているのは、「安保法」は「違憲」であるということ、いわく一連の行動は「憲法を守るたたかい」であるということだ。

「安保法制違憲訴訟決起集会」において、田村洋三弁護士(元名古屋高裁部総括判事)が述べた「違憲の安保法制を閣議決定をして、国会に提出し、国会で多数で押し切って議決をした。」という加害行為、その当事者は閣議決定をした国務大臣、議決した国会議員であるという認識はいささかも変わらない。

まだ4野党+市民の市民型選挙は始まったばかりであり、課題を詰めながら広げていく段階にある。
だがあの強大な一強自・公勢力を相手に、肉薄した戦いができたことは、評価すべきことで、参議院選挙に向けて更なる結束を強め、本年2月19日の野党合意を推進し、突破口を開こうではないか。