参院選を終えて、改憲勢力が3分の2を占め、早速、安倍政権は沖縄に牙を向け襲い掛かっている。 したがって今後、安倍首相が大政翼賛会と化した国会を背景に、強引な国政運営を伴う市民権弾圧法の制定や、改憲発議を行ってくることは確実な情勢。 議会制民主主義において衆参3分の2の議席は、ほぼ国政の白紙委任に等しく、国会は形骸化して行くことになる。 では、安倍首相が目論む憲法改正いわく9条2項改正であるが、本件については云うまでもなく学識者との闘いは避けられない。 自民党改憲草案は、お話にもならないレベルだが、そもそも日本国憲法は「戦争」を想定しておらず、9条2項改定を憲法逐条論で実行したとしても、全体の論理解釈からやはり日本国憲法自体が有する全体理念から難しいと考えている。 これらは今後、本紙がいうまでもなく、学識者の手によって批判の論陣が張られるものと考えている。 改憲議席3分の2を改憲勢力が占めたが、本件について社説を本紙のように書いたところはない。 安倍首相が、飛ぼうとしているハードルは依然として高く、そうであるがゆえに、安倍首相は実質を誘導するために、規制法を締めてくる可能性が高く、その方が社会的害が大きい。 前者の憲法に係る批判は、学識者が必ず立論(法体系の)を行うので、今後の展開をお待ち頂きたい。 一方、政治的には大きな課題を残した。 たしかに岡田民進党代表がいうように、一定の1人区での議席獲得で成果を得たものの、今後、国会は実質的に言論の府とは云えない様相を呈することになる。 野党共闘も無論のこと行われるが、それより有効な世論形成が重要と考えている。 14日には、都知事選が告示されるので、そこで野党系知事を誕生させられるかも大きい。 今回の参院選でたしかにマスコミの憲法を取り上げる姿勢は低かった。 おそらく与党サイド(政権側)から、「公平公正な報道を心がけよ」との圧力があったとみてよい。 だが、全マスコミが「改憲3分の2をうかがう」と打っているのであるから、不作為であったとも云えない。 本紙は、有効な「論」を投げることには成功したが、「信頼」を与えるまでには至らなかったのだと考えている。 安倍首相は、改憲世論を高めるため10兆円のバラまきを行うようだが、奏功しない。 アベノミクスは失敗しているからである。 7月29日には、GPIFの年次報告も出る。 アベノミクスは株価操作などで演出された虚構であるから「成果」は庶民にもたらされず、増税がない場合は、必ず社会保障負担が削られる。押し売りの高額な米製兵器の在庫一掃セールにも予算がいるからだ。 本紙は、これからさらに「この道」は行き止まりだと訴えて行きたい。