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この道はいつか来た道

参議院選挙における安倍首相の真意は「改憲議席3分の2」であると言明する。

7日、安倍首相は自民党の全国幹事長会議で、消費税率引き上げの再延期に理解を求めたうえで、参議院選挙では、安倍政権の経済政策・アベノミクスの是非を争点に位置づけて勝利を目指す考えを示した。

だがアベノミクスはもはや完全に失敗しており、これ以上継続の意味はない。
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昨日、三菱東京UFJ銀行が国債市場特別参加者(プライマリーディーラー・PD)資格返上へという報道があった。これにつき「何でもアベノミクス反対」との批判が見られるので、反論しておきたい。

PDは財務省が2004年に導入し、いわゆる国債安定消化スキームの一環としてメガバンク+証券会社22社で運営されてきた。しかしここにきてマイナス金利による損失リスク(とりわけ中長期の)を看過できないとの判断がなされたことになる。いま三菱東京UFJは日本ナンバーワンの業績を誇り好調だ。

その好調な三菱UFJ銀が、PDから抜ける意味は大きい。もっともグループ企業は残っているので、今後は使い分けを企図しているのかもしれない。だがアベノミクスの本質は、黒田日銀による量的質的緩和政策(QQE)であり、要するに市場経由で日銀が大規模に国債を買入するというもの。

マイナス金利が導入された際、国債市場が不安定化する懸念から株価や通貨が乱高下したが、最終的には日銀が買入してくれるのだから損はない、ということで一旦落ち着いた。ところがマイナス金利政策そのものが、中長期の国債利回りを低下させ、いわゆる機関投資家は新たな運用先探しを求められていた。

三菱UFJ銀は元からこのマイナス金利に反対していた。国債は安定した利回りを要求されているからに他ならない。今回のPD返上は、確かに最終的には国債を日銀が買入してくれるとはいうものの、一方で買入義務を負いながら、一方で売却の裁量が日銀に偏ることから、自由な市場性が失われると判断したものと思われる。

とりわけ恣意的な市場操作については、先に訪日したスティグリッツ教授のペーパーでも否定されている。
本紙は、安倍首相はリスクをとりたがるが、そのヘッジがないと指摘しておきたい。

本来、日銀による国債引受は財政法違反(財政法第5条)であるが、それを迂回し、市場を経由することで偽装し、どんどん国債を買入し、日銀の資産は国債で溢れる状況にある。GPIF(年金基金)の運用ポートフォリオを変更し、株式への運用幅拡大を認めたが、15年度の運用は5兆円の▲損失が出ていると云われている。

だがこの公表は、7月29日の参院選後に先送りされた。(彼がやることはこのような失敗隠しばかり。)
巨額の損失が出れば、年金や社会保障を削ることになる。
あまつさえ消費増税を再延期しているのであるから財源の見通し(GPIF運用巨額損+消費増税再延期に伴う)には暗雲が漂う。

保育士の処遇改善、奨学金の一部無償化なども自民党の口約(公約ではない)に入れてあるが、根拠は不明。
安倍首相は、「アベノミクスをさらにふかして行く」というが、その「ふかす」意味が異なるのではないか。
さんざん云っていたトリクルダウンは起きず、大企業の内部留保ばかりが毎年巨額に積みあがり、雇用や賃金上昇を伴っていない。

安倍首相は、「これから上がるのだ」と選挙で「ふかし」たいのだろうが、三菱UFJ銀は「銀行経営は博打(投機)ではない」と主張している。
要するに「堅実」とは云えないと判断しているのだ。

違憲の安保法制も同じやり方だ。
アベノミクスを「ふかす」ために日銀に黒田総裁を送り込み、自分の政策に批判的なNHKに経営委員を送り込み、内閣法制局長官の首を挿げ替える。

一方、国会審議では、「GPIF」で損失が出れば「給付」に影響が出る、としゃあしゃあと云う。
このような無責任極まりない最高責任者は、退去いただくのがもっともよい。
参議院選挙はその放逐の機会となる。






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